脆弱者で行こう

モテない中年のただの日記です

サウナでぴちゃぴちゃ音を立てる奴って何なの?

「ふう~。ぴちゃぴちゃぴちゃ、、」。ふう~じゃないだろう。本当に何なんだろう?温泉ほど無防備になる場所もなく、だからこそルールは大切にするべきであり、大きく注意書きをしてほしいのものである。「ぴちゃぴちゃ音を立てないでください!!」と、、。



「黙浴」。
最近よく目にする言葉であり、久しぶりに「いい言葉だなぁ」と入る前からフレッシュな気持ちになることができる。温泉に来る動機はさまざまあるだろうが、本来の目的は心身の不純物を落とすことであって、それ以外の動作・音は全て不純物であり、黙浴とは「いいから黙って入浴してなさい」というメッセージなのだろう。そんな母親の厳しい教えを受けた子供たちも父親と二人きりになると解放された気分になるようで脱衣所の段階でコサックダンスを踊っていた。


ちっ。何だこのガキは?オレのエリアに入ってくんじゃねーよ。
父親は何やってんだよ?何でオマエまで踊ってんだよ。しかもチョット上手いのがムカつくんだよ。

私は子供は嫌いではないのだが、それはあくまで家や公園で遊んでいる時であって、こういう場合は親子共々プロレス技を喰らわせたくなる。

「んっ、んんっ。ごめんね~。ちょっと避けてくれるかな~」

いいか?最終警告だぞ。
これでこれ以上続けようものならジャイアントスイングで女風呂一直線だぞ。正当防衛で女風呂を覗いてやる、、。

私の怒気を感じ取ったのか父親が注意をし始めた。

「おい!○○!!そんな狭い場所で踊るのはやめろ!ママに言いつけるぞ!」

広さの問題じゃねーんだよ!!お前ら以外にも人がいるんだよ!家じゃねーんだよ。

「はーい。ねぇパパ。コレなんて書いてるの?」

よし。いいのに気付いたな。
その言葉はな、お前らの教典になるべき言葉なんだよ。

「ん?何だろうな?ちんよく?ぜんよく?まぁ気にするな。海水浴みたいなもんだろ」

ばか!全然ちげーよ。調べろよ!今すぐ!Google先生に教えてもらえよ!

「キャホー!!ドボーン!!」。

私の願いは通じず、南の島に来たかのようにこの父子は湯ぶねの中を泳ぎまわっていた。




まぁ、たまにはこういう光景も良いだろう。私も子供の頃は所狭しと駆け回り、すっころんで頭を打ち付けながら大人になっていったものである。この父親も責めることはできない。限られた親子の時間は多少の迷惑をかけてでも味わうべきである。私が物申したいのは、温泉を日常的なものにしてしまったボス的な奴らであって、奴らは掛湯の段階からボスのBGMを流し込んでくる。


「バシャバシャ、バッシャッーン!!」

はい出た。海坊主1号。
マジで何なのコイツらの掛湯??汚物まき散らしてるだけだろ。扉開けた時の絶望感がハンパねーんだけど、、。

「ふう~。コンコン。バッシャッーン!!」

わかったって。リズムに乗んなよ。さっさとどけよ。

「パシャパシャ。タッタッタ、ザブン」。

つーかオマエ体洗った??


おそらく洗っていない。コイツらはシャワーというものを嫌っており嫌っているというよりその威力を信じておらず、手桶のバッシャッーンが何より最強で、それが全ての汚れを落としてくれると信じ込んでいる。しかも何故かタオルすら持っていないことが多く、「オレは清廉なのだから拭く必要などないだろう」という自信の表れなのだろう。こういう奴は現場を仕切りたがるクセがある。

「お~い!坊ちゃん!!体に泡付いたままだよ!」

「はい。ごめんなさい」

「お父さんもちゃんと注意しないと!あと話し声もうるさいよ」

「はい。気をつけます」。

いや、お前の声の方がうるさいから。
お前のバッシャッーンの方が汚いから。
ダメだ、このフロアは。さっさと逃げよう。

本質を解かっていないリーダーがいる現場ほど息苦しい場所もないだろう。私は運が悪かったとあきらめ、今回はサウナだけで済ますことにした。運よくそこには誰もおらず、リラックスした空間を過ごしていたのだが、そこにヒョコっと海坊主が顔を出す。

き、来やがった、、。
ゆでだこが、、。何で来んだよ、、。もう十分だろうがよ。

ジジイはすでに赤くなっており、入り口付近でさっさと出ていくだろうと思っていた私の思惑とは逆に足音が近づいてくる。

ザッザッザ。

おいおい。コレ以上近づいてくんなよ、、。パーソナルスペースってもんがあるだろうがよ。

「よっこらせ」

えぇー!!
隣ィィーー!!
ホント何コイツ??マジで気持ち悪いわ、、。

が、そこは「黙浴」。リアクションを出すことはルール違反であって、体の不純物も出し切れていなかった私はじっと耐えることにした。

「ふう~~。ぶふう~~」

黙ってろジジイ。ぶっ殺すぞ。
温泉を私物化しているテメーが誰よりもルールを守っていない。絶対、係員に報告してやる。
てめーの魂胆はわかっている。オレの今座っている場所がオマエの指定席だったんだろ?
くくく。だったらどかしてみろよ。その前に「タコから」ができあがるだろうよ。


「ハァハァハァ」

っち。さすがにコレはきついな、、。
この距離で聞くジジイの喘ぎ声は、、。置き換えろ。目を閉じよう。新しい熟女物だコレは。

「ぴちゃ、、」

ぴちゃ??
空耳か??想像力がバグったか??

「ぴちゃぴちゃぴちゃ」

キモいキモいキモい!!
どっから音出してんの!?男にそんな機能あったっけ!?

さすがにコレには怖いもの見たさに薄っすらと目を開ける。

おえっ!!
コイツ自分の腹でギターフリークスやってやがる!!
しかも緩みきった千段腹だから、どこ触っても音が鳴りやがる。何て張りのないキモい音なんだ、、。おえっ。ダメだ。まじで死ぬ、、。

これだけの不協和音を聞いたのは人生で初めてである。
だが、ジジイも命懸けだろう。これだけの音を出すには相当の水分を使うはずだ。あと一分もすれば唐揚げが焼きあがるだろう。


「ピッピッ!ぴちゃちゃ」

やめろぉぉー!!
リズム変えてんじゃねー!!そんなAVは見たことねぇー!!

「ぴちゃぴちゃぴちゃぴちゃぴちゃぴちゃぴちゃ」

うおぉぉぉーー!!
死ぬぅぅーー!!

「ぴちゃっ!!バタンっ」。

バタン??
もしかして、、。

そこには力尽きたジジイが横たわっていた。

やった、、。勝った、、。
早く係員を呼んでこよう、、。

限界だった私はフラついた足取りでジジイを跨ごうとするのだが、拡散したジジイの体液を踏んでしまい転ぶと同時にジジイにエルボーを喰らわせてしまった。

「あっ!すいませんっ!!違うんです。今のはわざとじゃないんです!!とゆうかオマエが全部悪いんです!!すぐ助け呼んでくるからお願い、、。死なないで!!」。

するとジジイがむくっと起き上がる。

げっ!!
コイツ不死身か、、。

「あんちゃん、、。黙浴だよ、、。バタンっ」

ヒィっ、、。

私は錯乱したまま係員のもとへと走り出す。

「係員さん!!係員さん!!」

「落ち着いてください!!どうしましたか!?」

「サウナで!!サウナで!!」

「サウナで??」




「ぴちゃぴちゃ音を立てないで下さい!!」

真冬のヒッチハイクは聖人の誕生日

私はヒッチハイクなどする度胸はなく、かと言って乗せる度胸もない。が、氷点下でのあの行動は凡人をイエス様に押し上げる効果があるらしい、、。下心は一切ない。なぜならソイツは豚小屋で生まれたようなオッサンだったからである。



ヒッチハイクを行う奴を尊敬する。ただし一人、それも荒野でだ。
どうゆう心境なのだろうか?
文明を切り捨てることに酔っている登山家のような澄んだ瞳をしているわけでなく、不自由を楽しんでいるパーティーピーポーなわけでもない彼らが受ける評価とは「何だこの不審者は??」といったところであろう。その評価は至極まっとうなもので、彼らは自らが望んだわけでない何らかのトラブルに見舞われ、その悲壮感が全身に纏わりついたトラブルメーカーとなって人々を遠ざける。それはそうだろう。スマホは普及していなかったがケータイはある時代なのだ。そんな自己管理ができない奴など馬のクソでも食っていればいい。と、当時、冷凍黎明期に差しかかっていた私の心も、あの男の姿によって動かされることになる。




「ん?何だアイツ!?何やってんだ!?」

その男は峠道を歩いていた。
普段なら「へぇ、、。こんな真冬に物好きもいるものだなぁ」と感心するのだが、彼の掲げているダンボールが私に恐怖を植え付ける。書かれている文字は「→」のみ。いや、書かれているというよりは貼られている??染み込んでいる??とにかく、得体の知れないアート文字を掲げるくたびれたオッサンなど恐怖の対象でしかなく当たり前のようにスルーした。

スルーせざるを得なかった。
彼の立っている場所は対向車側であり、こんなアイスバーンで急にUターンしようものなら後続車から追突されるだろう。時間も悪い。日が落ちかけている。こんな寒い日は愛する人と鍋でも囲みたくなるだろう。おまけに顔も悪い。まるで敗戦国の兵士である。だが、これだけインパクトのある映像もないだろう。私の頭はこの男のことでいっぱいになっていった。

マジで何なんだアイツ?
あの表情。必死すぎるだろ。そっちに何があるんだ?今日じゃないとダメなのか?ホントに歩いていくつもりなのか?マジで死ぬぞ。ケータイはどうした??落としたのか?近くに交番くらいあっただろうがよ、、。ダメだ。我慢ならない、、。戻ろう。

今考えると恐ろしいことなのだが、何か新しいものが生まれる気がして引き返すことにした。正義感というより好奇心の方が強く、これだけのリスクを冒したのだからすでに新しいものが生まれているのかもしれない。なんせ相手は刃物を持っている可能性もあるのだから本来の小心者からすれば信じられない行動力だろう。


キキィーー。バンッ

私の車が男の前に止まると、ギョロっとした眼が私を睨みつけ、私は正気に戻る。

や、ヤバい、、。
コイツたぶん人を殺ってる、、。
なんて馬鹿なことをしたんだオレは、、。酔っちまった。勝手にストーリーを作っちまった。モテないあまりに都合の良いストーリーを、、。
いや待て!!こんな所で死んでたまるか!!
武器を探せ、、。たしかこの前使った、、。
あった!!ドライバーだ。コレで頭のネジを正してやる。話くらいは通じるだろう。

 

「えーと、、。もしよかったらアッチの方まで乗せて行きましょうか?」

そう話しかけると、緊張の糸が切れたのか腰をくだいた彼は

「え、、。ホントですか、、。助かります助かります」

と、よろめいていた。おそらく限界だったのだろう。
まだ私は警戒を解かない。演技ではないと思うが、人間が怖いのは力が戻った時だ。目一杯前に出した助手席に彼を座らせて、少しでも不審な動きがあれば脳天にドライバーを突き刺してやるつもりである。

「あの、、。何で乗せてくれたんですか?ちょっと前にすれ違った人ですよね?わざわざ戻って来てくれたんですか?」

そう。
この男とは先程ばっちりと目が合っている。必死すぎるほど必死な目だった。その目で見つめられたらストーリーが始まるのは必然だろうよ。なんでオッサンなんだよちくしょう。

「いや、、。えーと、、。ホントに大変そうだったので、、。こんな寒い中、冗談でこんなことはしないだろうなって、、」

「ありがとうございます。ありがとうございます」

なんでオッサンなんだよバカヤロー。

「止まってくれる人は他にもいたんですが、、。面白がって写真だけ撮られました」

「え、、、。ホントですか??日本の民度も落ちたものですね、、。取りあえずコンビニでも寄りましょう。温かいものでも飲みましょうよ」

「あ、でも私お金ないんです、、」

「はい。落としたか、無くしたんですよね。おごりますよ」

「ありがとうございます。ありがとうございます」

なんでオッサンなんだよバカヤロー。



温かいおにぎりとお茶を数秒で平らげた彼は、みるみる元気を取り戻し口数が多くなっていった。このままだと運転中に負ける可能性が出てきたのでコンビニの駐車場で事のてん末を聞き出すことにした。これまでの彼の印象は一定の知識人であるということと、本当に困っているということで彼の放つ臭気は5日間はまともな生活が出来てないことを推測させた。

「さて、どうしてこんな日にヒッチハイクなんてしているんですか?」

「え、、と。私日本人じゃないんです」

おっと、、。いきなりスゲーの来たな、、。

「えっ?生まれが日本じゃないってことですか?」

「生まれは日本なんですが、20年前に東南アジアの方に帰化したんです。ちょうど身寄りが一人もいなくなって、あちらは物価が安いので、、」

ふーん。そうなんだ、、。
なんで身寄りが居なくなったんだろう?もしかして殺、、。
いや、やめておこう。コイツは明らかに人と違う人生を送っている。見てみろこのダンボール。ある意味芸術だろ。

「あ、これですか?ははっ。恥ずかしいですね、、。なんせ必死だったので、、。地名なんて覚えていないですし。とにかく目立つようにってゴミの中から色んなものくっつけて作ったんですよ」

いや、すげーよアンタ。すごい生への執念だよ。そりゃ写真撮られるよ。だってカラスの羽くっつけてるんだもん。ホントすごい感性だよ。でもさー、、。車の中にまで持ってこないでくんない?

「あ、そうそう。ヒッチハイクしている理由でしたね。察しの通り、財布を盗まれて一円もお金が無いんです。私一回も雪見たことが無かったので今度日本に来たときは絶対北の方に行くって決めてたんです。20年ぶりの日本で舞い上がってたんでしょうね、、。少し目を離した隙にやられました、、」

「もちろん交番には行ったんですが、なんせパスポートも無くしてしまったもので、、。日本というのは一度帰化した者にはとても冷たいものなんですよ。当然なんですが日本人を名乗ることもできませんし、証明書がなければお金を貸してくれることもしてくれません。仕方がないので紛失した場所で張っていたんですが体力が尽きてしまいました。東京の大使館まで行けば何とかなるんですが、、」。

ふーん。なるほどね、、。
妙に説得力があるな。多少の誤差はあるだろうが嘘は言ってないだろう。例え嘘だとしてもそれが許されるだけの行動力がコイツにはある。良かったな犯人。見つかっていたらマジで一家皆殺しになっていただろうよ。

「それでは東京の大使館へはどうやって??まさかまた歩いていくつもりですか?」

「はい。もたもたしていても何にもならないので」。

マジかコイツ、、。いや、このお方、、。ぶっ飛んでいらっしゃる。

「いやいや。ホント大丈夫ですか?冬ですよ。食べ物は?」

「大丈夫ですよ。私、今感動しているんです。日本も捨てたもんじゃないなって。あなたを見ていると昔の良い日本を思い出すんですよ。多分、あなたのような方はまだいるはずですよ」。

なんでオッサンなんだよバカヤロー!!
この人は何かを超越してやがる。ダメだ。他の奴にこの感動を味わわせたくない。神はオレ一人でいい。

「あの!!一万円。いや、五千円でいいので受け取ってください!それで少し暖かいところまでは行けると思うので、、」

そう言うと彼は少し戸惑ったのち

「ありがとうございます。代わりに何か私にもお礼をさせてください」

と言うと、私はすぐさま

「それ下さい。あと僕のコレもあげます」

と言って、男たちのプレゼント交換が始まり、別れを告げた。


その後、彼がどうなったかはわからない。わからないが、あの日の駅は混んでいた。そう。たしかあの日は、、、
メリークリスマス!!
二人の手にはドライバーとカラスの羽が握られている。

横文字ナルシストは胎内帰還してほしい

何故カタカナを使うのだろう?文章上ならばいいだろう。文を飾り付け美しくする効果があるので、むしろ使うべきである。だが、6文字以上のものを声に出すのは如何なものだろうか?その口元、いや、その顔。はっきり言おう。胎内からやり直せ。



白状すると私も使うのだが言い訳も聞いてほしい。
私は、文字数と同音語の多さを意識した上でこの「横文字」を使っているのであって、

「これはカタカナの方がスムーズだろうか?」
「文字数はどうだ?」
「まずい。同じ音・同じ意味の言葉が多いな、、」

などの脳内会議で議決した答えに自信があるために「横文字したり顔」が出てしまうだけであり、覚えたての用語を披露してやろうなんて気持ちは更々ない。とゆうかあえて披露しないようにしている。なぜなら死んでいった言葉たちに失礼だからである。



「キャー!!○○ちゃんの髪めっちゃサラサラ~!!」。

小学高学年にもなると女子共は裏表のある高レベルな会話をするようになるのだが、箸休めのために男子を巻き込んでくることもたまにある。

「でしょでしょ。お風呂にあったお母さんのコンディショナー借りたんだ」

「えー!いーないーなー!アタシも今度それ使おう!ところでZEN吉ってさー。もちろんコンディショナーって使ったことないでしょ?」

「は?なにそれ?コン??今度のドラクエのラスボス??」

「、、、、、、、、」

「キャーハッハー!!バカじゃないのー!!リンスのことだよ~!!何でそんなことも分かんないの~!!CMだけはかじりついて見てるくせに~」

「そうそう!絶対テレビ傾けてでも見てるよ~!!」

「う、うるせーな、、。見てねーよ」。

見事なまでに図星だったためにその時は何も思わなかったのだが、数年後になってイラつきが押し寄せてきた。それは温泉で「リンスインシャンプー」を見かけた時であった。

あ、まだリンスって言葉あったんだ、、。
何でリンスじゃダメなんだ??リンスの方が呼びやすいだろ。じゃあ「コンディショナーインシャンプー」って表記しろよ。なめやがって。
そもそもあの時、女Bは絶対コンディショナーって言葉を知らなかった、、。女Aにマウントを取られるのを恐れてオレをだしに使いやがった、、。なめやがって。
リンスに謝れ。オレに謝れ。くそっ!くそっ!コンディショナー、、コンディ、、。

うおぉぉぉーー!!

「ブシュッ!」「ブシュッ!」「ブシュッ!」


全部使い果たしてやった。
ドロッとした濁点が似合う発射音だけはコン「ディ」ショナーとマッチしている部分だろう。




まだまだある。一度マウンティングの味をしめた人間というのは大人になってもその癖は抜けないのだろう。その中毒性たるや課税対象にしてもよいくらいで、それだけで我が国の財源不足・人材流出は解消されるだろう。

いつだったか、尖がった靴が鼻につく営業マンがモデルハウス見学会でこんなことを言ってやがりました。

「えーと、こちらのエコキュートはですねー、コストパフォーマンスが優れていましてー、イニシャルコストが○○万円となっておりまして、ランニングコストサブスクリプションで○○万円。もちろんパフォーマンス・コスト共に他の商品より圧倒的にハイレベルになっております」。

うん。圧倒的にわかりづらい。
仮にただでくれるって言ってもいらないね。オマエの怨念が乗り移ってんだよ。もう外国の商品にしか見えねーよ。第三者の立場から見ても殺意湧くわ。ほら、お客さん引いてるだろ。

「もう少し詳しく説明いたしますと、、。コストの内訳がですね、、、。こちらのパイピングを含んだイニシャルが、、。トータルランニングコストが、、、」。

てめぇー!!
普通に設置費が○○万円。維持費が年間○○万円ですって説明しろよ!!
なに勝ち誇った顔してんだよ!!申し訳そうな顔しろよ!!間違ってんだよ何もかも。商品は素晴らしいんだよ。エコキュートに謝れよ。

「なるほどー。とりあえずこのエコキュートが素晴らしいのは伝わりました。用はこの冊子に書いてある通りの商品ってことですね??是非検討させてください」

マジかよ、、。
スゲーいいお客さんだろ、、。神だよ、神。つーかオマエ営業として終わってんだろ。冊子通りでいいんですねって言われたらオマエの価値ねーだろ。チンカスだろ。

「ありがとうございます!あ、でもお客様。もう少し用語の勉強はしておいた方がよろしいと思いますよ。セルフメンテナンスでランニングコストをケアできるパターンもございますので、、」。

とゆう意味不明な切り返しによってピクニック感覚で来ていた大事なお客さんは、スコールに打たれながら会場を去っていった。



ふう、、。お前は精子からやり直せ。

モテない奴が外人にモテるってホント?

そんなわけはない。実証済みである。だが、「モテるかもしれない、、」となるのは事実であり、実証済みである。今回の私の失恋相手は格上人種のアメリカ人であって、現在も色濃く心に残っている。キャシー。君との想い出が忘れられない、、。


今回のストーリーは完全に自己治療のために書いている。
「想い出」を「思い出」にするためのものであって、「想い出」とは現在のことであり、用は未練があることを表す。そんなウジウジした男にはなりたくないと、モテないなりのプライドを持っていたのだが今回それが崩れた。一方、思い出とは「いい思い出だったなぁ、、」と完全に過去の出来事であって、こう思えないことには現在にも未来にも進むことはできない。フラれ慣れている私はフラれた直後に「思い出」となるはずなのだが、今回は少し様子が違っていて執筆という作業に頼らなければ「想い出」にサヨナラできず、それだけキャシーの存在が大きかったということなのだろう、、。


キャシーとの出会いは私が実家に帰省している時で、たまたま家業の手伝いをしている日、彼女もたまたまアルバイトに来ていたらしい。

おっ!外人じゃん、、。
いつのまに外人まで雇うようになったんだ?しかもアジア系じゃなくて欧米系じゃん。やっぱりカッコいいなあっちの人は、、。
よし。話しかけよう。

相手が外国人ということで変なフィルターが取れ、スムーズに話しかけることができ、それを察知した彼女は自分から話しかけてくれた。

「キャシーです。おはようございます」。

日本語うまっ!!
もしかしてハーフか?いや、変に特別扱いするのは止めよう。無意識に傷つけることになるかもしれない、、。

「おはようございます。ここの息子のZEN吉です。手伝いに来てくれてありがとうございます」

「はい。よろしくお願いします」

と言った彼女の表情は、赤毛のアンのような少女と大人びたクールさが混じりあった絶妙の笑顔で、なかなかこの手の笑顔はお目にかかることはできないだろう。この時は知らなかったのだが外国人に言ってはならない失礼な質問というのが幾つかあるらしく、そのうちの一つが「どうして日本に来たんですか?」であって、これは「何でアンタここにいるの?」と受け取られるらしい。
なるほど。転勤や出張先でこの手のニュアンスで質問をされたことがあるが、確かにプラス要素はゼロだろう。これを仏頂面で言われると「はぁ?いるからいるんだよ!オマエこそなんでいるの?内弁慶がよ!」と蹴りを入れたくなる。
何にせよ、運よくこの質問を回避した自動ニヤケ面タイプの私と彼女とのファーストコンタクトは最高であり、「キモい笑顔」と言われている私の表情もあっちの人から見れば「屈託のない笑顔」となるらしい。

その日の仕事はキャシーと二人でする作業が多く、何せ私は小さい頃から嫌々手伝わされてきたのだから初心者をリカバリーする能力くらいはあり、自然と会話も弾んでいった。

うわぁぁぁ。
初めてこの家に生まれて良かったと思ったわ。しかも会話のリズムも最高なんだよな、、。だって全部相手の先制攻撃なんだもん。

「結婚しているんですか?」
「いいえしてません。キャシーさんは?」
「じゃあ彼女はいるんですか?」
「いいえいません。キャシーさんは?」

こんな楽しい会話ないだろ。
だって全部返しが「アタシも」なんだもん。
今わかった。結局会話なんてもんはなー、、、
「オレも」と「アタシも」が正義なんだよ!!!


仕事が終わる頃になると彼女が大の温泉好きということも分かっており、我々日本人は自覚が無いが、これだけの火山国というのは世界では稀らしい。私も温泉は好きだ。心のマグマに火を灯そう。

「いや~。やっぱり働いたあとは温泉行きたくなるよね~」

「、、、、、、、、、、」。

しまった!!

調子に乗りすぎた!!
なんだその猿みたいなナンパは?普通に考えて引かれるだろ、、。「はぁ?何でオマエごときにスッピン見せなきゃなんねーんだよ。ちなみに今アタシの裸想像しただろ?早漏野郎が」ってなるだろ。

ゴゴゴゴ、、、。

地下でマグマが鳴り響く。

「うん!じゃあ今から一緒に行こうよ!」

来たぁぁぁ!!
昇竜拳昇竜拳!ヨガフレーム!ヨガフレーム!ヨガファイヤー!!
まじ??こんなピュアな温泉、母親の羊水以来だわ。


その後、仲良くドライブしながら温泉に行き、もちろん混浴ではないのだが、そんな生々しいものよりよっぽどハッピーなものを見ることができた。それは「湯上り美人」。これは極一部の女性にしか当てはまらない空想上の生き物だと思っていたのだがキャシーはこれに当てはまり彼女は普段から化粧をしていなく、温泉によって温められた彼女の顔はピンク色のナチュラルメイクとなって全ての男を魅了していた。そしてオヤジ共の視線をかきわけながら女神がこちらに近づいてくる。

「すごい気持ちよかったね。帰ろうか」

ドキッとしたピンク色の効果音が私の心臓を押しつぶし、それ以降の口数はいつものように少なくなっていった。辺りはすっかり暗くなっており、桃色の想いが真っ黒な夜空に飲み込まれ群青色となって私にあることを思わせる。(こんな日が続けばいい)と。


「キャシーさん。連絡先教えて下さい」

別れ際、私は真顔でこう言った。ちなみに私は「キモい笑顔」と言われているが真顔はもっとキモいと言われる残念な生き物シリーズの一人である。

「Yeah!アタシも聞きたかった!ありがとう」

彼女はノータイムでこう言ってくれた。その笑顔は初めて会話した時のものより子供っぽくなっており童話の主人公のようである。

「これで次も会えるね。またねZEN」

「う、うん。またねキャシー」。

全て初日の出来事である。
こんな上手くいく一日は人生十周しても訪れないだろう。




ピピピピ。

「お疲れ様です。ZEN吉です。えーと、あのですねー。最近両親の具合が悪くてですねー。何とかこちらのエリアに仕事を振ってほしいんですが、、。はい。そうです。ありがとうございます」。

よし。完璧。
なんせ輪廻転生こんなことはないんだ。両親の一人や二人殺しても罪にならないだろう。

ピピピピ。

「ハーイZEN!今から会えない?ゴハン行きたい」。

よし。来た。
グングン来てます。
何で?アメリカ的にこれが普通なの??オレがしてることってただ大げさに笑っているだけだぞ。まぁ、楽しいから笑ってるんだけどさ、、。それだけでこんな好意持ってくれるもんなの??そんな単純なもん??

表情とはつまるところ皺であり、皺とは山脈であり、その成り立ちはその人の歴史を表す。呪文のような英語ではこの0.何ミリ単位の皺を見極めながら会話をしており、意思疎通の第一手段は表情にあると言っていいだろう。「目は口程に物を言う」ということわざは、あちらの人にはピンとこない言葉なのかもしれない、、。
私が彼女に惚れた理由は下心、異文化交流もさることながら彼女が作り出す表情という造形美に魅せられたのであって、彼女が私のことをどう思っていたかは分からないが、彼女なりに私の表情から感じとる何かがあったのだろう。一時的な気分ではなく、いや気分だったのかもしれないが彼女は自分の洞察力を信じそれに引っかかった私に近づいてきた。と、そう思いたい。


当たり前だが、彼女は天真爛漫な部分だけではなく不安も抱えている一人の女性である。何回か会ううちにその不安な部分を私にも見せてくれるようになったのは、嬉しい反面どうしていいかよくわからなかった。

「ZEN。アタシはね。チャレンジすることが好きなの。だから日本に来たし、何かすごいやりたい事があるわけじゃないけどチャレンジする気持ちを失いたくないんです。でも、自信がないの。不安なんです」

なんて答えるのがいいんだろう、、。
これだけ日本語ができてグローバルな人間の需要がなくなることなんてないんじゃないかな、、。とゆうかキャシーって真面目なこと言うときって絶対敬語になるよな、、。日本語教育は敬語から入るっていうからこれが初心なんだろうな。よし。安心させよう。

「そんなに心配しないで。キャシーみたい日本語上手で明るい人なんてそうそういないんじゃないかな?上手くいくよ」

「どうしてですか?ZENはキャシーじゃないからそれはわからないと思います」

うっ、、。まぁ、そうだけど、、。
敬語ってこえーな、、。ある意味一番破壊力ある言葉だろ。

「そうだね、、。わかったようなこと言ってごめんね」

「No、、。コッチこそごめんなさい」。

男女問わずこういう空気は苦手である。
なぜなら私にこれを打開する力がないからで、それを察した彼女から放たれたセリフが空気を変える。

「ハ、、、、、グ」

ん??何??
何だって??

「ハァグして」

び、びっくりドンキー、、、。
ちょ、ちょっと待って。まだメニュー見てないって、、。
いつもフライドポテトばっかり食べてごめんなさい。

両手を広げてきた彼女に導かれ私は彼女を抱きしめる。

「ありがとうZEN。落ち着く、、」

レギュラーバーグ、チーズハンバーグ、和風ハンバーグ、ポテサラハンバーグ、、、。

私の頭には無数のハンバーグが流れ込んでいた。




楽しいことには終わりが来る。
が、そうならないでほしい。できるなら長く、緩やかな終わりと始まりを繰り返す関係(用はパートナーである)を望んでいた私の情熱も物理的な距離によって冷やされることとなる。
彼女の新しい仕事が決まり、それとほぼ同時に私も元のエリアに戻ることとなり、いつものように会える距離でないことは確定していた。彼女も私のことを大切に思ってくれていたようで真剣に話をしてくれた。

「ZENとZENの家族を見ていると何だか安心するの。アタシも田舎で育った人間だからこうゆう気持ちになるんだと思う。キャシーはもう30だよ。次のパートナーとは真剣に付き合いたいんです。結婚も子どもの事も考えたいの」

薄々感じていたがキャシーと上手くいっている一番の理由はコレだろう。
ただ会ったタイミングと場所が良かっただけで、私の笑顔というよりは私の家族の笑顔による影響が大きく、彼女の家庭と同じ情景が流れたのだろう。確かに、彼女の家族との写真を見せてもらったことがあるが、私たちの目に写るカントリーロードは同じである。

「ZEN。アタシはね、たくさんの商品の中から選んで買い物をする人間なの。○○市に行ったらきっと他の出会いもあると思います。アメリカではこうゆう恋愛の仕方は普通なことなの。でも、アタシはZENを傷つけたくないんです。ZENはどう思ってる?」。

む、無理だ、、、。
その恋愛の仕方はいい。別に日本人もやっている方法で、違いがあるとすれば公言するかしないかの差だろう。
だが傷つかないのは無理だ。だってコレってもう付き合ってるって言ってよくない??コレで付き合ってないんだったらもう「尽きあってる」だろ、、。
とゆうかオレの本音はどうなんだ??
このキャシーの本音に応える度量はあるのか?ただの憧れじゃないのか?もしアメリカで暮らすことになったらどうする?
わからない。わからないけど本音を言おう。脆弱者にだってプライドはある。

「キャシー、、。僕はね、、、」




数か月後、キャシーからメッセージが届く。

「ZEN。久しぶりです。ZENとは引っ越ししてからも何回か会ってるけど、もちろんアタシもデートをしています。最近良い人と出会いました。ZENのことすごく気になったけどその人と進むことになりそうです。ZENはキャシーにとって大切な人だからちゃんと伝えたかった」。

当然、ショックを受ける。
モテない私にとってはよくあることなのだが、今回のショックは成分がいつもと違い、「後悔」の占める割合が大きい。その原因となったあの時の会話を思い出す。

「キャシー。僕はね、キャシーのことが好きだよ。でもその好きが自分でもよくわかっていないんだよ。尊敬なのか抱きしめたいなのか、ずーっと一緒に居たいなのか、、。それがまだわからない。ただ、キャシーと一緒にいるとすごい楽しいよ。選ばれなかったらショックは絶対に受けるけどそれは仕方がないことだよ」

「Hmm、、。そうね、、。ありがとう」。

何が「まだ」だよ。
そんなこと言っている奴、一生わかんねーままだよ。
お前とキャシーじゃ流れている時間が違げーんだよ。
本音言うって言って「わかんねー」って単語入れてる時点でズルいんだよ。脆弱者にもなりきれてねーよ。
仕方ないって言ったんなら今さら後悔してんじゃねーよ。何で泣いてんだよ。キモいんだよ。

「そんなん結果論でしょ」という私がよく使う凍りきった言葉は、本来このパターンにこそ当てはまるはずなのだが、なぜか通用しない。キャシーとの出会いによって温められた血流は静脈の逆流を許さず、熱を帯びて永久保存されていた涙をも溶かし始めていた。その瞳でメッセージの続きを読む。

「ZENとの思い出はずっと大切にします。人生何があるか分からないけどキャシーはZENのことずっと応援しています。ありがとう」。

いや、こんなん反則でしょ。
オレだって忘れられないわ、、。でもそんなにすぐに「応援」とはならないわ、、。
だってまだ「今」の出来事なんだもん。
「思い出」とか「応援」って完全に勝者のセリフじゃん、、。




いや、違う。
私だって「思い出」や「応援」はよく使う。これは覚悟の問題だ。
彼女は「わかんないけど、~だ」という言い方をよくしていた。対して私は「~だけど、わかんない」という結論を濁す言い方をすることが多く、それを優しさと捉えることもできるが後悔の最大の原因にもなっているだろう。ブログや酒の肴にするならこの言い方を続ければいいだろう。だが本気の愛情に対しては彼女のようなストレートな表現をすることで「後悔」は生まれず、そこには勝者も敗者もなく、残るのは過去だけである。

さて、そろそろ私もキャシーに返信をしなくては、

「キャシー。素敵な思い出をありがとう。君の幸せを応援しています」

つみたてニートになろう

私は定期的にニートになることを心掛けている人間であり、ニートに憧れを抱いており、しかし成りきる度胸はない。彼らが言う「働いたら負けだと思っている」という格言に心を掴まれながらも一線を越えられない私のような人間は数多くいるのではないだろうか。そんな振り切ったデイトレーダーになれない皆様、まずは積立てニートから始めよう。



まずは語感がカッコいい。カタカナ表記では平凡なものもローマ字で書くと強さが倍増する言葉というのは幾つか存在しており、「NEET」も間違いなくそのうちの一つだろう。私は語感というのをけっこう神秘的なものと捉えていて、実は一番はじめの動力になっているのでは?とさえ思っている。例えば「神」。これを目指す或いは憧れている者は、この人物像に惚れているというよりは美しい漢字一文字の「神」に惚れているのであって全ての始まりはここにある。我々日本人が扱う平仮名・カタカナ・漢字・ローマ字の中から無意識的に美しいと感じた言葉が思考の道標となっており、この感覚は最も大切にするべきものである。他に例をあげると「きれい」や「ライオン」、「花」などがあるのだが、もちろんこれらは私個人の好みであって各々のストライクゾーンを信じるのが正解だろう。社会人になる前の私はニートというものには可も不可もないといった感じであったが本格的に好意を寄せるようになったのは「NEET」と頭で思い浮かべるようになってからであり、用は人ではなく言葉に惚れたのであって、この思考法はニート嫌いの人たちにこそ役立つものだと思われる。

「オマエ一生結婚できない」「この税金泥棒!」「あの親戚の無職のおじさんww」などの辛辣なセリフは対象が人間だから起こるのであって、ニート嫌いの人たちは必ず身近な人間を思い浮かべながら嫌悪を抱いている。堕落者や落ちこぼれとった人物で表しているうちはこの嫌悪感は決して取ることは出来ず、「観葉植物」「博愛主義」「ヒエラルキー」など何か良さげな言葉に言い換えることで彼らに対する怒りや不安を和らげることができるだろう。


ここで身も蓋もないことを言うと私はニートの知り合いがいるわけではなく、完全無給な生活を送ったこともなくニートというものをよく解かっていないのだが、外からしか見えない景色というものもあるだろう。そもそもこれはタイトルにもあるように、まず上の思考法でニートへの拒絶反応がなくなった人向けの少額投資のやり方であっていきなり本物になる話ではない。初心者は分散投資がいいだろうという事と飽き性の性格も相まって私は「読書NEET」「植物NEET」「ゲームNEET」と幅広い投資を心がけている。


「読書NEET」と「植物NEET」とは図書館で本読むことや景色を眺めるのが好きな大人しそうな人物を指し、一般的にいいニートと呼ばれる人たちであろう。これを体験して思ったことは、彼らはお金をかけない楽しみ方が上手なだけであってお金は大好きであるということで大好きというよりは大事にしている。それじゃ血走ってるホームレスと同じじゃん、と思われるかもしれないが彼らは被害妄想や縄張り意識といった争いの外で生きており、資本主義の敗北者のような劣等感はまるでなく、自分主義から産まれた子供がお金であるのだから大事にしようといった思想である。時間に対する価値観も少し違う。時間は有限ではなく無限にあると思っている。その証拠に図書館で目当ての本が借りられていても「チッ」とはならないし、旅先で悪天候に見舞われても「えー!今日だけだったのに、、」ともならない。流れる小川の水面にプカプカ浮いているような人生観を送っている人たち以上に、彼らの水面は波一つなく時間が止まっているようである。つまりこの時間が止まった体験をすることがニートへの第一歩であり、その手段として読書や眺望といった静の環境が適しているのであって、ずっとベッドで寝ていられる人は天性のニートの才能があるであろう。


さて、ニートの真価が問われるのは「動」の環境であって、動とは競い合いであり「ゲームNEET」とでも名付けよう。私はゲームをほぼしないのだが代わりに低ルートのパチンコをすることがある。勝ち負けがあるものは全てゲームということでいいだろう。


「お~い!金かけねーパチンコして何が楽しいんだ?そんなもんギャンブルじゃねーだろ」

パチンカスあるあるで弱い奴に限って低ルートパチンコに否定的である。一部のプロがこれを言うのなら分かるが趣味打ちしている奴などただエロい演出が見たいだけであって、それ以外のセリフは全て妄言である。

「しかもオマエ0.5円って、、。せめて1円だろ。銭だぞ銭。江戸時代かよ、、」

「いやぁ、今日はワンパチって気分じゃないんでLEGOパチにしときますわ」

「ホントお前度胸ねーな。モテねーわけだわ。つーかその言い方キモいからやめろ」。

はぁ??

これには私も腹が立った。

4円なんて人間の打つパチンコじゃねーんだよ。沼だよ沼。まず4って数字が好きじゃねーんだよ。絶対リーチかかってほしくない数字だろ。何回地獄に連れて行かれたことか、、。しかも「ワンパチ」「LEGOパチ」がダセーだと?これ以上カッコいい語感ねーだろ。マジ殺すぞ。

「んじゃ、オレは0.5円でまったりと楽しむんで頑張って下さいね。それじゃお疲れ様っした」

「オイオイ。怒んなって~!どうせなら同じパチンコ屋で打とうぜ。仲間だろ」。

コイツの魂胆はわかっている。
近くに金を貸してくれる人間が欲しいだけだ。そのことを見越して私の財布には二千円しか入っておらず、そんな作戦を後輩に立てさせる時点でコイツは先輩失格なのだが、「仲間」という言葉はジャンプ歴30年の私にとって脳髄に響く言葉であって、しょうがなく行動を共にすることにした。



私の結果に激しい上下はない。今日もそうだ。
800円を使って純愛パチンコ「めぞん一刻」という最高のラブストーリーを味わった後に、休憩ブースで「銀魂」をニヤニヤと読む。残りの200円を使って美人のコーヒーレディから飲み物を買ってもいいだろう。後の千円で今日は何を食べよう?久しぶりに牛丼のメガ盛りもいいかもしれない。
入店から四、五時間は経っていたと思うが私の時間はすでに止まっていて、この時間に微塵の後悔もなく牛丼を食べ終わって一人ベッドで眠る時には、おそらく「このまま死ぬのも悪くないな」と思っているだろう。ニートの定義は満たしているといっていい。

一方、先輩はパチンコ屋という資本主義の縮図に飲み込まれていた。
パチンコは即勝ちか即止めが一番よく、一瞬で自分が勝者か敗者かの判断がつくのだが今回の彼のような小上がり小下がりを繰り返すような展開になってしまうと自分が何者かわからなくなっており、年収450万円プレイヤーのような状態になっている。下の者に対しては優越感を得られるが600万以上の者を見ると「ははぁー!」と土下座しながら「オレはこんなもんじゃない」と青筋を立て栄進を誓う。銀玉を積み上げたものが勝者という単純明快なパチンコというゲームではこのような成金思考になるのは仕方のないことなのだろう。
だが私まで巻き込まないでほしい。


「ZEN吉!!マジお願い!!金貸して!!チョットでいいから!!」

来たな。

ここで私の時間が動き出す。
本物のニートならここでシカトして牛丼屋に直行できるのだが、この男の取る行動に興味が湧いた。今読んでいるギャグマンガ銀魂」の影響もあるのだろう。

「えー!まじオレも金ないっすよ、、。ほら」

さあ、どう出る銀さん?
逆ギレして暴言を吐いてくるか?怒ってATMに向かう途中、ババアでも轢くかもな、、。そう思いながら財布の中身を男に見せると、

「おーい!千円かよっ!でも、サンキュー。10倍にして返すわ!」

と、私の大切な子供を剥ぎとって行った。

おい!勝手に人の財布に指突っ込んでんじゃねーよ。
それ目の前の女性のパンツに指突っ込むようなもんだからな。まあ、お前ならやりかねないけどさ、、。しかも千円で何できんだよ?リーチすらかかんねーよ。ホント何コイツ??もうデコに金って書いて生きてけよ。


その後彼は一緒に牛丼を食べている時、

「くぅ~!最後の激熱リーチまじで惜しかったなぁー!あれハズすか、、。もうチョットであのヒロイン昇天させれたのにな~!そしたらオマエ、今頃こんな所で牛丼食ってる場合じゃねーぞ。本物のヒロインいる所で昇天中だぞ」

と、目を輝かせていた。
私の貸した千円は唾液の飛び散った牛丼となって涙を流しており、それを見た私の中のニートがこう呟く

「無駄な話に付き合うのも悪くないかもな。なんせ時間は無限にあるのだから、、」。



人間は欲望の塊である。
共産主義より資本主義が多く取り入れられているのがその証拠だろう。だがテクノロジーが進歩し労働自体が必要なくなった時、新たな主義が生まれるであろう。
その時必要なのは、積み上げた資産ではなく積み立てたニート達なのかもしれない、、。

「いやっ」って呪いの言葉だろ

会話の際に「いやっ、~」と言って話し始める人間をよく見かけるが、相手に与える印象としてはプラスにはならないだろう。この話し方のクセは本当に厄介で一度身についてしまうと中々取ることが出来ず、この話し方をしているうちは異性にはもちろんのこと同性からもモテなくなるということを呪いにかけられた人間の立場から解説していきたい。


この「いやっ」には否定語と謙譲語の二つの意味が含まれており、本人は否定というよりは謙譲のつもりで「いやっ」を使っているのだが、相手からするとそんなものは関係なく額面通り「いや → 嫌 → 否」と受け取られることが多い。このフレーズは人生であまり褒められたことがない万年ブービー賞たちが好んで使うことが多く、褒められた際「えっ!今までそんなこと言われたことない、、。やだ。どうしよう、、。恥ずかしい」という羞恥心に耐えきれず、自分を下げることでバランスを保つために「いやっ」を使っていることを徒競走一位・二位の人たちにはご理解いただきたい。

「つーかよー。褒めてるんだから素直に喜べよ」と言われれば、おっしゃる通りでございます。一言でいうと「いやっ」の使い手というのはもれなく偏屈野郎なのである。ここで大事なのは元々偏屈野郎が好んで「いやっ」を使うのか、「いやっ」を多用していくことで偏屈野郎になってしまったかであって、自己弁護をするわけではないが大半の人間は後者ではないだろうか。発せられる言葉というのは、魂を宿した言霊となって人格を作り出すのだから最早ただの「音」というよりは「化合物」という認識でいいだろう。


人格の上塗りのために私が使用した化合物は「うん、~」であった。何だそんなことか、と思われるかも知れないが「いやっ」の呪いにかかっている連中にとっては簡単に出てくる言葉ではなく、絶対話し初めにはうんって言おう。言わなきゃオレはうんこ以下だ。くらいの強い決心が必要なのである。


「うん。いいですねそれ」
「うん。なるほど。参考になります」
「うん。ゴメン。もう一回いい?」


ものすごく簡単なフレーズなのだが効果は抜群であった。
文章上で見てもこれだけキレイなのだから実際に笑顔を用いた場合のプラス効果はすさまじく、これだけで全ての人間関係が解決するんじゃないかと思わせてくれるほどだった。

が、本当にこれでいいのか?
確かに素直にはなっただろう。事実、敵の割合は明らかに減った気がする、、。
だが、つまらん。プラス要素一択なんて化合物じゃない。透明な小便と同じでなんの面白味もない。オレが興味のあるのはピッコロ大魔王のような紫色の血と口から卵を産むような奇特性だ。そもそも偏屈な人間の何が悪い?心の中まで素直な人間なんて本当に存在するのか?あの素直な悟飯だってセルの前じゃ調子乗っていたじゃないか。

平凡な人間関係を過ごす一方で、何かものすごく大事なものまで失われていくような気がしていた私はこのまま悩んでいても埒が明かないと思い「うん」と「いや」の使用割合を数値化することにした。

今までのデータからすると表面上の会話は「うん」と「いや」の割合を9:1にするのが良いだろう。オレはいじるのがあまり上手くない。ただ、全肯定されても気持ち悪いだろうからスパイス程度に否定も混ぜる。これがベストだ。
だが、心の会話ではコレが裏返る。9割否定だ。否定こそ笑いの原動力だ。争いごとが嫌いな人間はこうやって一人笑点を楽しめばいい。



この黄金比を証明する絶好の機会がある日突然訪れた。
その時とは社用車で経理の女性と二人きりで出かけたときで、最近真人間に見えてきた私をその女性が指名してくれたのであった。

オイオイオイ。こんなこと今までなかったぞオイ。
ずっとあなたウジ虫見るような目でオレのこと見てたよね。まぁそのサバサバした視線も良かったんだけどさ。はいその通り。ちょっとタイプでございます。

「あ~よかった~。ホントありがとねZEN吉くん。一人だったら絶対終わんなかったわ。なんか最近変わったよね。見た目は変わらないけど何か話しやすくなったよね」。

オーイ!!
それただのブサイク認定!!
あなたも言うほど美人じゃないからね。真希波マリに見えなくもないけど、そのメガネかけたら全員マリに見えんじゃん。とゆうか最近劣化してどっちかというと初号機に見えなくもないような、、、。
おっと。まずいまずい。9割肯定だったよな。

「うん。それはありがたいっすね。役に立ててうれしいです」

「そうそう。そうゆうところが変わったよね。前だったら目っていうかさー、顔全体が泳いで窒息しそうになってたよね」。

ホントそれ??
そんなに酷かった??あんたのイメージだろ。絶対変なあだ名つけてただろ。

「うん。そうだったかも(笑)。やっと普通の人間になれましたかね?ははっ」

「いや、全然普通ではないんだけどさ。アタシって男運ないじゃない??それで試しにZEN吉くんの情報調べてみたんだよね」

「ん?うん?」。

ん?何で?
何がそれでなの?何を試すの?何で男運ないの?それは多分あなたの問題じゃないの?

「ZEN吉くん年収はショボいんだけど、あなた確定拠出型年金やってるわね。どうして結婚できないくせにそんなことしてるの?これにはちゃんと理由があるの。あなたが給油しているガソリンスタンドの近くに必ずレンタルビデオ店があるの。何を借りてるの?つまりね、、」

ヤ、ヤバい、、。
否定が追い付かない、、。
コイツは危険だ。経理という職権を乱用しまくってやがる。

「つまり、あなたの使っているお金は全部アタシに使った方がいいの。風俗に通うお金をケチってAV借りている男なんて一生結婚できないものよ。アタシは生理的にムリだけど友達を紹介することならできるわ。あなたの情報は受け渡し済みよ。もちろん紹介料はもらうわよ」。

ダメだ。情報量が多すぎる、、。
否定も肯定もできない、、。

「さぁ、どうするの?さっきから頷いているけれどそれはイエスってこと?」

「う、うーん、、。いやぁ、、」

「それはどっち?うん?いや?あんまり怒らせないで」。

いや、今のいやはAVの悲鳴のイヤァーーッというかNewYear正月まで待ってくださいというか、、。
うんは決してイエスではなくて、、運というか、、。
ヤバい、、。何も考えられない、、。マジでうんこ漏らしそう、、。


「どっちーーっ!!!」


うわぁぁぁ。眼輪筋がピクピクしてやがる。
山岸由花子、暴走モード突入だぁ!
こ、殺される、、。殺されるけどハッキリ言おう。


「いやっ!!やめときます!」


しーーん


「そう、、、。やっと心の声が出たわね、、。あなた。あまり自分の長所を無くすようなことをしてはダメよ。久しぶりに窒息しそうなムラサキウニみたいな顔が見られてよかったわ。今日はありがとね」。

バタン、、、。



うん。女の子ってわからない。

シャワーは三日に一回で十分

私と同じくモテない人間を見ていていつも思うことがあるのだが、何でコイツらは裸を見られる機会がないクセに綺麗好きなのだろう?ということである。いや、綺麗好きなのは良いことだと思うのだが、アンタ方のやっていることは生ゴミの入ったビニール袋の表面を拭いているだけであって、中身である生ゴミをどうにかしないと根本的な解決にはならないだろうということを今回は訴えていきたい。




私は人間の体をモノに例えるのが好きで、先程はビニール袋と表現したが今度は建築業界にいる人間らしく家に置き換えてみようと思う。肌というのは通気性の良い外壁や壁紙のようなもので、これを毎日洗剤で洗う几帳面な人間などいなく、汚れが気になった時にだけサッと拭けばいいだけのことである。問題は玄関(口)から入った人間(食べ物)がどういう動きをするかでこの家の価値が決まってくるのであって、外壁だけを整えた事故物件など二束三文の値しかつかないだろう。ちなみに髪というのは人体の構造上、必ずしも必要なものではなく、あくまで飾り付けするためのものであってクリスマスツリーのような季節物くらいに思っていればいい。こんなことを言うと髪命の人間が怒髪天の如く「じゃあ、今から剃れよオメー」と言ってくるのだが、それを傍らに髪の薄い人間に勇気を与え「そうだよな、明日からスキンヘッドにしてくるわ」となることも事実であり、少数派からは好かれていたのだが悲しいかなその中に女性は含まれてはいなかった。つまり極端な話、全身脱毛した食べ物に気を使っている人間は、風呂桶一杯程度のお湯と手ぬぐい一枚さえあれば常に清潔な状態を維持できるのであって最早シャワーすら不要であろう。ここまではいかなくても暴飲暴食を控えた一般的な短髪の男子は「シャワーは三日に一回で十分」というのが私の見解である。


「オレ、シャワーなんて三日に一回しか入んないっすよ」。

いつだったが、気心が知れてきた先輩にこう発言すると、その先輩は目を丸くして驚いた、というより若干引いていた。
ぱっと見は清潔そうに見える私が不潔野郎だったのにショックを受けたようで「うわぁ、マジで汚ねぇ、、」となっており、変な噂を流されても厄介なので本当の不潔とは何かを説明してあげることにした。

「いや、アレっすよ。臭いの原因なんて食べ物からくる体臭とかっすからね。髪は洗面所で流してますし、口臭防止のための歯みがきもちゃんとしてるっすよ。ってかそんな臭わないっすよね?」

「うわぁ、、マジかおまえ。いや、スゲー臭ってきたわ。便所のガッポンみてーな臭いするわ。顔もソレに見えてきたわ、、」。

どんな例えだよ。
ガッポンの臭いなんて嗅いだことねーよ。
絶対アンタよりオレの方が清潔感あるから。だって見た目野獣じゃんアンタ。とりあえずヒゲ剃れよ。便器磨くブラシにしか見えねーよ。

「いや、チョット待ってくださいよ。絶対イメージで言ってますよね。だってそんなこと言われたことないっすもん」

「もう~!あんま喋んなよー。何か息まで茶色に見えてきたわ、、」。

それオマエだろ。
まっ黄色な歯しやがって。毎日、タバコ・缶コーヒー・カレーヌードルばっかり食ってんじゃねーよ。完全に黄ばみ三種の神器だろ。息くせーんだよ。玄関開けたらイエローモンキーがスパークしてんだよ。もういいや、ムカついてきたからシカトしよう。

「おいおい、シカトかよー。そんなんじゃいつまでたっても彼女できない万年一人暮らしヤロウ確定だぞ。とゆうかマジで風呂くらいは入れよ。今度紹介してやるからよ」。

遠慮しときます。
だってアンタの言ってるお風呂って60分2万円かかるやつじゃん。アンタの言ってる彼女って全部お金発生するやつじゃん。この前だってデリヘル呼ぶだめに部屋片づけたのはいいけど風呂が汚すぎて女の子に帰られたって言ってたよな。どんだけ汚れてたの?そんな天然物のローション風呂入るくらいなら入らねー方がいいんだよ。
オレだってなー、もし彼女できたら毎日五回は風呂入るんだよ。壁紙こすりすぎて90年代ラブコメのぞき穴できるくらい体洗ってやるわ。マジでそういう恋愛というかAVみたいなこと起きねーかな、、。

という、脳内の私の会話を察知した彼は唐突にこんなことを言ってきた。

「あーあ。何か風呂の話してたらピンク銭湯行きたくなってきたな、、、」

どうゆう流れ??
言い方がマジでキモい、、。
普通にソープって言えよ。

「よし!思い立ったら即行動!すぐ戻ってくるからその間任せたわ!」

「えっ?別にオレはいいっすけど、、。そんな汗だくの恰好で行くんすか?昼だって蒙古タンメン食べてましたよね、、」

「バカおまえ。それがいいんだろうが。ニンニクの効いた汗に興奮するんだろうがよ。ウホっ!もう我慢できねー。じゃあな!」。



どんな性癖??
店長。60分10万円でメスのニシローランドゴリラ付けといてください。