缶コーヒーは最後まで飲もう
私は缶コーヒーをワインのように飲むのが好きで、あの考え尽くされた適量190mlを造った生産者に感動しながらいつも味わっている。と、言いつつ味音痴な私が言えることなど何もないのだが、これだけは言えよう。何で最後まで飲まないの??
全ての人のパートナーとなってきた「缶コーヒー」。
全てのストーリーに参加しており、彼らの役割はいつも
優しい奴 → クソ野郎
といった最後を迎えることが多く、ウダウダ説明してもしょうがないので片っ端から実例を紹介していこうと思う。
リーダー「おーい!缶蹴りしようぜ~」
モブ「イエーイ!!」
リーダー「じゃあ、みんなで丁度いい空き缶探そうぜ~」
モブ「イエーイ!!」
10分後、、、。
モブA「これでいいだろ?」
リーダー「アルミ缶かぁ、、。もう少し固いのがいいな、、」
モブB「それじゃあ、コレだろ!」
リーダー「ってお前これビンだろ!固すぎだろ!ったくお前らはよ~」
モブC「ハァハァ、、。いいのあったよ!!コレはどうかな?」
リーダー「おー!コレコレ!最高じゃん。じゃあオレ鬼やるからオマエはご褒美として5秒前から逃げていいぞ」
やった!
やったぞ、、。これで僕もAやBの奴らみたくリーダーと対等に話せるぞ。いや、蹴落としてやる、、。そのためにさっき自販機でコーヒーを買ったんだ。まさに「渡りに船」。いや、「モブにコカ・コーラ」。ありがとうジョージア。僕変われるよ。
リーダー「行っくぞー!!おりゃあ~~!!」
ガン!!
走れ。走るんだ。
やっと巡ってきたチャンスなんだ、、。
ヒュルルー。
行け。行くん、、
ガン!!
リーダー「あっ!!わりぃ!!大丈夫か!?つーかこれ中身入ってるじゃん。誰だよ飲んだ奴」
モブC「え~ん!!ジョージアのばかぁ~!!ぶっ殺してやるぅ~」
次。
「ったくこの家は朝のコーヒーも出て来ねぇのかよ、、」
「はぁ?何言ってんの?缶コーヒー出てるじゃん。朝から喧嘩ふっかけてこないでよ」
「へっ。これがコーヒーねぇ、、。コーヒーってのはシュゴゴって沸いたのを入れて一日が始まるんじゃねーのかなぁ、、」
「何、妄想にふけてんの?じゃあ自分でやりなよ。つーかアタシだって淹れたてのコーヒー飲みたいわよ。でも、あんたのイビキがフラッシュバックして飲めない体になっちゃったじゃない。文句言いたいのはコッチだっつーの」
「ああっ?んじゃコッチも言わせてもらうけどなー。何だよUCCって!?俺、缶コーヒーならファイヤーがいいっていつも言ってるよな?どうせパック買いの安物しか飲ませる気ねーんだろ?」
「はいはい。アタシはUCCが好きなの。ブラックならUCCなの。味覚も精神もガキなアンタには分からないと思うけど」
ガン!!!
「ふざけんなよ!!オレがファイヤー好きなのはな、、」
「ちょっと何やってるの!?ソファーにシミ付いちゃうじゃない!!」
オギャー!!オギャー!!
「あー。ホント最悪、、。缶太起きちゃったじゃない」
「それだよそれ。俺たちの出会いは公園で缶コーヒー飲んでた時だったよな。それでよ、その時オマエ、俺のこと桐谷健太を薄めた堤真一って言ってくれてよ、、。それで調子乗ったオレがよ、『お~ファイヤ~、ファイヤ~』ってよ」
「ホントやめて。全然似てないから。アタシあの時どうかしてたの。これ以上、桐谷健太を汚さないで」
「その時のオマエはCCガールズみたく輝いて見えてよ、、。あっ!オマエもしかして、、だからUCCが好きなのか?」
バン!!
「ホントいい加減にしてよ!!何その想像力??気持ち悪すぎて帯状疱疹が出るの!!缶太に移ったらどうするの!!」
「おい!!オマエこそいい加減にしろよ。俺たちの二人で決めた大事な子供を物みたいな言い方するなよ」
「そんなクソダサい名前にしたくなかったわよ!!アタシが出産で倒れてる時に缶コーヒー片手に勝手に名前つけやがって!呪ってやるわ!この子はアタシ一人でも育ててくわ」
「おい?それどうゆう意味だよ?」
「そうゆう意味よ。アタシもう限界なの。今、それがハッキリ分かったわ」
「おい、、。冷静になれよ、、」
「ちょっと、、。あなたが落ち着いて、、。手に持っているそれをまず離して」
「オレは別れるくらいなら、こうなってもいいぞ、、」
「やめて、これ以上近づかないで」
オギャー!オギャー!
「うらぁぁぁーーー!!」
「キャァァァーーー!!」
ガン!!!
オギャー、オギャー、、、。
「えー、ただいま速報が入りました。○○市で殺人事件が起こったもようです。犯人の自称桐谷健太が使った凶器と思われる缶コーヒーには妻と乳児の血痕が付着しており、犯人とみられる男は終始『お~ファイヤ~』と繰り返し叫んでいたそうです。現場からお伝え致しました」
最後に自称建設作業員のオレ。
「おい。何そんなチビチビ飲んでんだ?もう一服終わっちまうぞ。トロくせーな」
「ちょ、ちょっと待ってください!すぐ飲みますんで!」
何この気まぐれ休み時間??
10分だったり1時間だったりよ。完全にオマエの気分だろーがよ。コーヒー飲むの急かされるほどイラつくことねーんだよ。職人だからって何でも早ければいいって訳じゃねーかんな?
ンゴクゴク、、。
「あー!チョット待て!!タバコ消してーから少し残しとけって言ってるだろ!気きかねーな」
はぁ?
チョット待って、、。もう一回言わせて。
はぁ??
知らねーよそんなルール!!何そのクソみたいなルール??タバコ吸わねーコッチからしたら便所のタンカス案件なんだよ。つーか何でオマエそんなワガママなの?範馬勇次郎にでも憧れてんの?だったら一息でタバコ吸い尽くしてみろよ。
「あ、すいません。○○さんが奢ってくれたこのコーヒーおいしかったんで、ついつい飲んじゃいました」
「ふん」
あ、やっぱりこいつ勇次郎に憧れてる。本部以蔵みたいな面してるクセに、、。
「そうだろ?オマエの好みは分かってるからな」
ゲロ不味だよ。
甘すぎんだよ。微糖でギリ飲めんのに普通の買って来やがって、、。「糖」って面の皮剥げば「毒」だかんな。それを強面で渡されてるコッチの身にもなれよ。何が「好み分かってる」だよ?分かってねー奴が使うランキング一位のセリフだろ。
「おら!さっさと始めるぞ。まずはこの材料、全部上げとけよ」
「えっ?コレ全部っすか?」
「あたりめーだろーが。そのためにコーヒー奢ったんだろーが」
どんな交換条件だよ?
ガキの使いじゃねーんだぞ。マジで笑えねーよ。工事現場にたまにいる上下運動一人でやらせる奴ってマジで何なの??クソ効率悪いんだけど、、。少しならまだしも総量300㎏超えてくると殺意しか沸かねーよ。
30分後、、。
「ハァ、ハァ、ハァ、、」
「おーい!もう息上がったかー?オレが若いときなんてな、、」
うっせー死ね。マジ殺すぞ。てめえ何してんだよ?話してんじゃねーよ。その打ち合わせ今しないとダメなのか??その「打ち合わせしてる俺めっちゃ仕事できます」感が最高に腹立つし、そうゆう奴に限って最高に仕事できねーんだよ。
「ハァ、ハァ、ハァ」
「はーい。お疲れ~。35分47秒!まぁまぁかな。どうすっか監督?コイツ見込みありますかね?」
あ~~ん?
まじでゴキブリダッシュ喰らわせるぞコラ。内臓溶かしてやろうか?つーかお前オレの何なんだよ。オレが言いたいわ。「どうすか監督?見込み0のコイツに踏み込んだ一言お願いします!」って。
「ダメだよ相方は大事にしないと~。そんなことしてるとね、、」
よし!いいぞ!もっと言え!
トドメ刺してやれ。言え!「だからウンコなんだよ」って。
「へへっ。誤解しないで下さいよ監督。今だけっすよ、、。」
「ん?そうだった?それじゃ良かったね」
はぁ~~??
何だこの世界一くだらねぇ茶番は?クソみてーなゴマすりからのクソみてーな節穴。今まで千回以上見てきたけど、くだらなすぎてヘソでコーヒーが沸くんだよ!深みゼロの水下痢みてーなヤツがな!
「あ、そうそう。コレお客さんから差し入れね」
ふう、、。やっぱりお客さんは神様だな、、。常に我々の味方はあなたたちだけですよ。
「はい。MAXコーヒー」
甘ぁ~~!!!
どんなチョイス??疲れた時に甘いもの欲しくなるっつっても限度あんだろうが、、。成分500%砂糖の毒の固まりだろ、、。
「おー!ありがとうございますぅ~。コイツ甘いもん好きなんでオレの分も渡しときますね。ほら!せっかくだから今飲んじまえ」
いま~~??
今はマジで死ぬって!干からびた状態でのMAXコーヒーってMAX鈴木でも飲めねーよ。ってか何なのこの「差し入れすぐ食わないヤツ悪」文化。さっさと無くせよマジで。その「アタシの事好き?」みたいな顔で見られんのが最高にめんどくせーんだよ。
「ほら、一気!一気!」
「一気!一気!」
てめーら覚えとけよ、、。
末代まで呪ってやるからな。
ンゴクゴク、、。
「はい!1本目~!次いってみよう!」
「一気!一気!」
ンゴクゴク、、。
うっ!!
ギュルルル、、、。
ほらね。やっぱそうなるよね、、。
でも安心しろ。ここは工事現場だ。必ずトイレがある。急げ!!
ダッ!!
「はいダメ~。どこ行くの~?まだ残ってるじゃない~」
「ちょっ!!マジでどいて下さい!!オレのMAXがもうMAXなんです!!」
「ダメダメ~。お客さんに失礼じゃない」
「漏らした方が失礼だろうが!!マジでどけよゴミ!!サル!ゴリラ!!」
ガン!!!
「テメーー!!先輩に向かって何だその口の聞き方はー!?」
「わかった!!わかったから!!!」
あっ!!!
MAX、、、。
汚ない話ですいませんでした。
缶コーヒーには敬意を払いましょう。